爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第4章 九州 大宰府
「勝手な類推結構よ、師団長」
「何?」
首相は何かスイッチが入ったか、間髪入れずに鹿子木の物言いに喰って掛かって相手を挑発した。また始まったか、と大尉は思った。少し、椅子を音立てた鹿子木を隣席の米良が袖を掴んで止めた。
「私はね、師団長? 責任を取れ、と言ったのよ。芝居をしろ、だなんて一言も申しておりません」
首相の眼差しは鹿子木に向けられている。突き刺した、冷たい視線。だが、鹿子木は何を恐れるでもなく、睨んだように首相を見詰めている。
「議長が何を言っているか俺にはさっぱりわからんのですがね、首相閣下? この戦争を発したのは紛れも無く首相、あなたの筈だ」
「そうね、それが?」
それが? 鹿子木は怒気を含んで返した。
「長倉部長の情報を聴いて、戦支度をはじめろと指示をしたのは閣下、臼杵部長の立案に判を捺したのは他ならぬ両閣下ではないか。なぜ、2人の首を獲る?それも返り血も浴びずに、腹を切らせる真似をして」
尤も、実際に腹を切るわけではない。あくまで慣用の物言いである。しかし、長倉や臼杵が今後も続くであろう吉野体制で再び返り咲く日は全くない。鹿子木は強く憤った。
「お腹を召すかどうかはあくまでご両人にお考え頂く事ですわね、師団長」
「何を戯言っ!」
「まずは、この度の総括。損害を査定し……てくれてるでしょうけど、それを踏まえた上で次を考えなくてはなりません。ご両人の事についてはあくまでその後です。総括にはご両人にやってもらわなくてはならない事が仰山出て来るわけですから、それを終えてくれないと困ります。……それとね、師団長?」
首相は鹿子木を睨み付けた。鹿子木も目を逸らさない。
「先ほどより、誰に向かって物を申している?」
「何っ!」
「あなたは、円卓に名を連ねてこそいるが一介の師団長に過ぎない。先ほどよりの物言い、聞き捨てならない。一々訂正をしてもらう必要は無いから取り敢えず」
首相は一刻間を置いて
「黙りなさい。本日、円卓において指名を除きあなたの発言は認めません」
そう告げた。
「おのれっ! 何様のつもりかっ!」