爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第4章 九州 大宰府
大尉は煙草が吸えないと途端に機嫌が悪くなる。具体的には、舌打ちが増え、歯軋りし、顔の陰影が濃くなるほどに顔を顰めるのだが、これが周囲には不評―というより恐怖―で、皆が近寄らないようになる。しかし、この陶山と空気を読めない小姑諫早だけは一向に構わず近くにやって来て、何事もなかったように接して彼女の機嫌を損ねる。
「吸ってきても良いか?」
「間もなく刻限だ。君のリラックスタイムは長いのでな。2分以内に帰って来るなら認めよう」
「ああ、そうかよ」
顰めた面から覗かせた眼が陶山の顔に突き刺さる。喫煙所は会議室から歩いて5分の所にある。なお、2分で戻って来られる所には化粧室がある。
高官達がやって来る刻限。流石に大尉達も仮眠中の首相達を起こしには行かない。以前、睡眠薬を飲んで眠った首相をベッド蹴り飛ばして起こしに行った事はあるが、それ以後大尉と諫早が睡眠薬を隠してしまったため、特に起こしに行く必要もない。それに、どうせもう起きているはずだ。最近は(年齢によると断定できる)体力低下が原因で疲れが取れず、起きにくくなっていると首相本人は言うが、仮にも元アイドルである。中には覚醒剤打って仕事する事を余儀なくされるアイドルがいるとさえ云う業界にいた女であり、例え年増になっても、最近腰周りに肉が付き出していても、肌が衰えてシミが増えたのを悩んでいるのを見て思わず「もう見る影ないですね」って言ったら(言わずにはいられない、この愉快さ)、顔真っ赤でブチ切れた挙句号泣して東京とのテレビ会議がお流れになったりしても、いざとなればスクッと起きて来る。ああ、煙草欲しい。そう大尉は強く強く思っていた。重要な作戦の前に深酒で寝過ごして大敗を呼び込んだ会津藩士 佐川官兵衛(さがわ かんべえ)じゃあるまいし、こんな重要な時に寝過ごしたりはしない。ああ、ヤニ欲しい。大尉は強く思った。
そんな事を思っていたら、会議室の戸がノックされて開かれた。
「おはよう諸君」