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爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇

第4章 九州 大宰府


 高官達が眠りに入って2時間以上が過ぎた。無茶振りをする幹部達に飼い馴らされたスタッフ達は手際良く職務を粗方全うした。会議の準備は出来ている。

 総監部の円卓を中央にした広めの会議室の端へ置かれた腰掛けにもたれ掛かり、蓮池夏希は腕の時計を眺めた。

「……もういい加減起きてこいよ、あの年増」

 どーせ、小一時間で目が覚めて、ベッドの中であーでもないこーでもないって思案中なんだろうけどさ。蓮池大尉は類推した。長い付き合いである。想定の範囲内だ。

 アレなりの労わりだろうしな、おネムのサインは。…まあ、ホントに眠かったんだろうけど。

 コツコツと床を叩く音がして来た。大尉は時計から目を徐々に近づく音の方へやると、陶山聖尚がそこにいた。

「君の目の下のファンデーションは実に濃くなった」

「素敵な化粧だろう? これ、自家製造なんだ。しかも自然に塗りつけられる。そして、いけ好かない野郎にも時折メイクされるんだ」

 言われるまで気にもしなかったが、大尉の目の下には隈があった。主と共に連日働き、自宅には既に一週間以上帰っていない。そして、対面するいけ好かない婉曲口調の男にもそれは共通していた。陶山はまして対馬守備隊の仕事を抱えつつ、総監部にて屋代島攻撃の作戦立案を手伝い、兵站作戦の指揮を採っていた。数年前に起きた軍事クーデターにより多くの軍の有力幹部が討たれたため、その討伐の立役者である諫早利三とこの陶山の負担はその分だけ多くなった。疲労は最高潮だ。

 無論、当の大尉自体、その仕事を請け負っているのだが。

「首相も大分お疲れだったろう」

「他人を家に帰すってのは自分かそれ以外の誰かが負担するって事だ。宇喜多の嫌がらせには堪えていただろうし、杉(すぎ)の妨害への対処にも苦しんだ。それにアンタの言う通り、戦局も長引いた。そりゃ疲れるってな」

「で、あろうな。あの島が、即日落ちると思う方がどうかしている」

 そっちかい。大尉は小声で吐き捨て、スボンのポケットに手を突っ込んだ。

「会議前は禁煙だ」

「……畜生ッ」

 大尉は箱の半分まで引っ張り出していた煙草を苛立ち共々押し込んだ。
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