爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第1章 西海之役
星川軍閥の手を借りて討滅された葉山円明(はやま えんめい)に与した帝国陸軍の影響力は必然的に減退したものの、(葉山に親しい者もいたが)一貫して帝室護持の立場を守り偽勅挙兵の鎮撫に貢献した帝国空軍は陸軍の減退分を喰って急速に党勢を拡大、一大政治勢力と成り上がった。但し、古今の常として政治的側面をある程度は持つ事となっていた陸軍という組織とは異なり、個々人の思想信条は兎も角(ともかく)、純粋な飛行機野郎か理工系のエリートが粗方を占める空軍には政治を担うだけのノウハウが欠けていた。そしてそれを唯一人持ち得、鎮撫の立役者としても武名を高めた十三宮勇(とさみや いさみ)が必然的に玉座の傍らに侍る事となった。吉野菫を担ぎ上げた十三宮勇の武威支配である「青鳥政権」の誕生は列島の行く末にある方向性を与えたが、当の宰相がその有り様を手放しで喜んでいたわけでもないのが帝国に憂いを孕ませていたのである。現に宰相吉野菫はパートナーである青鳥に真意を見せず、機嫌を取りながら暫し様子見を決め込んで、自ら「イエスマン」の役回りを選んだ。加えて軍閥の長たる十三宮勇の武威を背景に八月事変以前与党であった保守派を制し革新派の勢威を増して諸政策を推進、上手く利用し事を運ばせた。