爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第5章 悪意 中國山地
「脈拍正常。取り敢えず今の所はクリアって所ね」
マスクをした金髪の女が眠りに落ちた検体の脈をとっている傍で、男は気の沈んた声で呻(うめ)いた。
「皆そうであったろう。これで何人目だ」
「665人。あと1人でオーメンね。アジア人は彼女で80人目よ」
「お前という奴は・・・・・・・っ」
女は男が立ち上がるのを手で制した。
「埃が立つ。今、別のを入れる最中なのよ」
「今度は上手く行くんだろうな?」
「さあね、どうだか」
「……どういう事だ」
「女の身ってデリケートだから。ちょっとぬかると一瞬でパーよ。だから、暴れないでね」
「俺を嘘吐きにしやがったら、そのツケ払ってもらう」
男は実に苛立った物言いをしたが、女は先ほどから同じ調子で変わらなかった。
「随分と執心の御様子でありますこと。なあに、懸想(けそう)でもした?」
「殺されたいのか?」
「まさか、せっかく実験だけに気を使えるようになったのに。まだ死にたくはないわ」
気を使えるんじゃなく、それ以外に気を回せなくなったのだろう。この気狂い。男は内心そう愚痴った。