
第1章 お菓子の魔女のデュエルには。

先攻は魔女。店内に張り詰めた空気が流れる中、彼女は楽しそうな声色でドローを告げた。
「私はマドルチェ・ミィルフィーヤ(500/300)を召喚、続いてモンスター効果でマドルチェ・メェプル(0/1800)を守備表示で特殊召喚!
そしてフィールド魔法、マドルチェ・シャトーを発動!場のマドルチェモンスターは攻・守が500ずつ上がります」
フィールド魔法が発動すると、ステージが一気にファンシーなお菓子の国に塗り替えられる。活き活きとマドルチェモンスターたちが動き出すと、カードを2枚伏せて魔女はターン終了を宣言した。
お菓子を模したモンスターたちに子供たちからは『可愛い』と声が上がり、店内の雰囲気が少し和らぐ。次は男のターンだ。馬鹿にしやがって、と悪態をつきながらドローをした。
「俺は場にモンスターがいない事で、インヴェルズの魔細胞(0/0)を手札から特殊召喚!そして手札からインヴェルズ・マディス(2200/0)をアドバンス召喚!」
「なるほどインヴェルズデッキですか。初手から上級モンスターを召喚とは、相手にとって不足はありません!」
「俺のターンはまだまだこれからだァ!インヴェルズ・マディスの効果発動!こいつはインヴェルズと名の付くモンスターをリリースしてアドバンス召喚した時、LPを払う事で墓地からインヴェルズモンスターを特殊召喚できる!」
ライフコスト1000P払って、男はインヴェルズの魔細胞を墓地から守備表示で召喚する。
その後、男はご隠居の猛毒薬で自分のLPを1200回復。4200ものLPに余裕が出たのか、饒舌に語り始める。
「更に俺は、おろかな埋葬でデッキからインヴェルズの斥候(200/0)を墓地へ送る!
このカードは自分の場に魔法・罠カードがない時、メインフェイズ開始時に墓地から特殊召喚出来る」
「おや、次のターンもアドバンス召喚ですか?これはピンチですね~!小さなお客様方!私のモンスターたちを応援して力を貸して下さいね!」
「羊さん頑張れー!」
「猫さんも負けないで~!」
「良いことを教えてやろうかァ…。俺の手札の中にはインヴェルズ・ギラファ(2600/0)がある。こいつはアドバンス召喚に成功した時、相手のカードを破壊する効果があるんだよ!斥候が破壊されても魔細胞でアドバンス召喚が決まるって訳よォ!次のターンが来れば、お前は終わりだ!!」
