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お菓子の魔女の言う事には。

第2章 お菓子の魔女の正体は。


学校のチャイムが授業の終了を告げる。
ふぅとため息をつきながら帰宅の用意をする名無しに影が落ちた。

「あ、遊作。今日は起きてたの」
「お前はずっと、うとうとしてたな」
『ガン見してやんの、ヤラシー』
「…」

何も言わずスピーカーをオフにする遊作。デュエルディスクのコアから覗く目がもの言いたげにグリグリ動いている。

「いやぁ…あの後は案の定、沢山話をしなきゃいけなかったからさぁ」
「…。今日はバイトは休みか。それについて話がある」
「うん、分かった。じゃあどこで話そう?さすがにここではないよね」
「あぁ、移動する」

ついて来いと言外に、背を向けて歩き出す遊作に名無しはせっかちだなぁと急ぎ荷物をまとめて後を追いかけた。

* * * * *

「遊作から聞いてたが、君が苗字さんか。俺は草薙、よろしくな」
「よろしくお願いします!というか本当に良かったんですか?キッチンカーの中とか借りて」
「あぁ、今日は臨時休業だ」
「その話は後にして、先に状況の整理をするぞ」

遊作に案内されたのは彼の馴染みのホットドッグ屋だった。キッチンカーの中で話し合いは始まるらしい。という事は、草薙はPlaymakerの正体を知っている関係者だろう。

「状況の整理って言うか、整理する程の情報ない気がするけど…。
僕がお菓子の魔女の中の人でハノイの騎士と戦う事になって、その過程で遊作がPlaymakerだって分かったみたいな感じかな」
「カフェがハノイの騎士に襲撃されたのは何故だ?恨みを買うような関係者がいたのか?」
「いや、Playmakerの偽物に釣られてきちゃったみたいだよ?あのデュエルがよっぽど堪えたのかなって」
「…、そうか…」
「…もー、そんな顔しない!完全に向こうの逆恨みなんだからさー」
「…気にしてないし、元々この顔だ」

プイ、と顔を背ける遊作。

「名無しさんはデュエルの後、カフェに残ったんだろう?取調べとか受けたのか」
「一応、聞かれたけど隠れてました、で通してました。警察の人にはそこまで追求されなかったけどSOLテクノロジーの人はどう思ってるかなーーって所ですね」

ログインしてる事にハノイの騎士が気付かないのも不自然な話である。相手にもされなかった、とってくれたらと願うばかりだ。

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