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お菓子の魔女の言う事には。

第2章 お菓子の魔女の正体は。


静かに、『勇気と無謀は違うのですよ』と、魔女は少年に言った。少年はハッとした顔で彼女を見つめる。

「Playmakerさんは強いけれど、あなたは彼ではない。
…あのドラゴン凄く怖いでしょう?そんな今のあなたが怖がりながら戦っても、残念ながら120%負けます!」
「う…。それは…そうかも知れない、けど…」
「大丈夫。悪者はこの私、『お菓子の魔女』がこらしめておきましょう!」
「…ホント…?」
「勿論。…ですので、今日はログアウトをお願い致しますね♪」
「…、はい…」

『あ、あの…魔女さん負けないでね…!』と少年は混乱と焦りでモタモタしながらも、ログアウト処理を終えプツンと姿を消した。無事に現実空間へ戻ったのだろう。

「ふぅ、やれやれ」
「貴様…何様のつもりだ」
「あぁ申し訳ございません、ほったらかしで…。マナーの悪いお客様、今日はどのようなご用件で?」
「ふざけるな!Playmaker…奴をどこへ隠した!?」
「ははは。それは多分見た目だけPlaymakerさんの偽物ですよ、最近多いので。
うっかり見世物の目撃情報を掴まされるなんて、かなり頭に血がのぼってますね。もしや対戦したご本人ですか~?」
「貴様っ!」
「おっと!」
クラッキング・ドラゴンが尻尾で叩きつけてくるが、ひらりと身をかわして半壊したお菓子の塔に降りる。

「あの圧倒的優位からの逆転負け…大勢の人に見られるなんて殆ど公開処刑ですからね。Playmakerさんを憎たらしく思う気持ちは分かりますよ?
しかし、デュエルは勝負事…逆恨みは頂けません。」
「小娘、どうやら死にたいらしいな…!」
「滅相もございません」
「黙れ!デュエルディスクを構えろ…完膚なきまでに叩き潰してくれる!」
「ふっ…ええ、勿論。マスタールールでならお相手致しましょう」

ハノイの騎士が激昂しながら促すと、お菓子の魔女は店のロゴが入ったデュエルディスクのセットアップをした。

「覚悟して下さい?私の計画を台無しにした責任は重いですよ…―――!」
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