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【WJ】短編 -2-

第12章 【裏】検証、轟焦凍の場合/轟焦凍


「ちょ、ちょ…っ!と、轟くん!待って!速い!歩くの速い!てか、走るの速い!」
「…悪い。」


 教室とは遠く離れた非常階段に到着した所で漸く解放された。
 普段熱の無い目が、心做しか、熱が籠ってる気がする。あの場面で私を連れ出したという事は、しっかりと私の個性が効いていて、嫉妬から取った行動だと思う。意外と轟くんは嫉妬深いんだと脳内メモに記録する。これは教室に帰ったら皆に報告だな。


「俺の前であんな事して、お仕置きされてーのか?」
「…はい?」


 轟くんの口から出た言葉が予想外過ぎて、思考回路が停止した。そして、強引に重なった唇。口無理矢理こじ開けられ、口内へ侵入する生暖かい感触。


「ふ、…あ…っ、ん、っ、」


 息苦しいと感じる気持ちに比例し、気持ちいいと感じてしまう馬鹿正直な体。自分の意志とは反対に甘い息が漏れる。
 漸く離れた唇。さっきよりも熱い視線を送られ、思わずドキッとした。いや、だって轟くんってイケメンじゃん。私もキス魔ではあるけど、一応女子だし、不可抗力。けど、私の一番は消太くんだから!と、誰に言うわけでも無い言い訳をする。


「また他の事考えてんだろ?お前が誰のモノかちゃんと分からせてやる必要がありそうだな。」


 さっきから轟くんの口から出る言葉が怖いなんて思ったのも束の間、轟くんの手が私の内腿を撫でた。


「ちょ、轟くん…っ!ここ学校!」
「そうだな。」
「待って…っ!ん、っ、」
「お前が声出さなきゃ誰も気付かねーよ。それとも見られてーのか?」


 もう片方の手で服の中に侵入した手に、意図も簡単にブラを外され、直に胸を触れられた。個性の影響か、左手で触れられた胸がヤケに熱く感じる。それと反するように内腿を撫でる轟くんの手はひんやりとしていた。


「俺以外の奴にお前を見られるなんて耐えられそうもねえ…。誰の目にも触れられない場所に閉じ込めるってのも悪くねえかもな。」


 イヤイヤ!それは完全にアウトだから!


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