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Aprikosen Hamlet ―武蔵野人狼事変―

第6章 「最後の審判」JUDGEMENT


顕「…そうか、始まったか」

十三宮仁
「早く終わると良いね、この惨劇…」

顕「私の同志である愛生教の信徒達が、新羅隆潮に対して騒擾(そうじょう)を起こしている。この間隙に、美保関少弐らが脱出できれば良いのだが…」

仁「友達同士が、お互いを『魔女だ』『狼男だ』と疑って、殺し合うなんて…酷過ぎるよ!」

顕「食人種のうち、いわゆる『劣性感染者』の存否に関しては、まだ科学的結論が出ていないからな…」

仁「夜慧ちゃん達が言っていた『人狼』って、本当に居るのかな?」

顕「今はまだ分からない。ただ…本物の人狼は、案外すぐ近くに存在するのかも知れないよ?」

 そう言いながら寿能城代は、愛生教徒の聖典である『学園偶像祭』を開いたが、十三宮仁(とさみや めぐみ)はその内容に、不穏な違和感を覚えた。それから暫くした後、寿能城代は世を去った。あの年の冬、この国を襲った戦争を、私達は…決して、忘れはしない…!
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