Aprikosen Hamlet ―武蔵野人狼事変―
第5章 「吊られし者」THE HANGED MAN
津島「如何にも、理解が早く感心する」
塔樹「しかし、どうして私達が必要なのですか?」
津島「敵も、我等の策に勘付いた故、反射砲を事前に破壊せんと試みている。殊に、伊豆に接する沼津・狩野川では、陸海空の戦端が開かれんとしている」
道理「話は分かった! 当職を伊豆に、沼津へと連れて行け! 殺しには慣れたが、血が騒ぐのは久しい。存分に狩らせてもらうぞ!」
塔樹「反射砲を確保すれば、敵を一網打尽にできるだけでなく、攻撃を躊躇させる抑止力にもなる。私達の手で、この戦争を終わらせる事ができる…了解致しました。三河守護の御依頼、喜んで引き受けます!」
津島「若人(わこうど)は淳心にして、解(わか)り易し…汝等の力が、平和への礎(いしずえ)と成らん事を希(こいねが)う。なれば、予に続け。敵は、狩野川口に在り!」