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Aprikosen Hamlet ―武蔵野人狼事変―

第4章 「月」THE MOON


﨔木「適当じゃないよ!『人間は一日に約60ℓの水を必要とします』って、士官学院の試験にも書いてあったんだから!」

天満「はぁ…重症ね、夜慧」

塔樹「しかし、少弐殿は東京湾で交戦中だったはず…如何なる因果で、ここまで来られたのか?」

天満「話せば長くなります。あの後、中央防波堤から平和島に撤退して、更に羽田空港へと向かう途上、ラプターのスタビライザーを撃たれて…」

 ステルス戦闘機「ラプター」のコントロールを維持できなくなり、加えて脱出装置を破壊された美保関少弐は、﨔木長門にサポートされながら不時着を試み、無事に着陸を成功させた。しかし、降り立った地は大森の内陸で、生田兵庫らと同様に、孤軍奮闘と試行錯誤の末、このアプリコーゼンに辿り着いたのであった。

﨔木「…ま、そんなわけで宜しく。俺は﨔木長門。真名は『夜慧』だけど、軽々しく呼ぶなよ。別にお前達の事が気に入ったわけじゃないけど、人間同士で殺し合ってる場合じゃないし(死)ね///」

斎宮「俺は斎宮星見だ。お前みたいな強気な奴、嫌いじゃないぜ…って、机の下に誰か居るぞ!」

 異常を察知した生田・斎宮・塔樹は一斉に武器を構えたが、事実を知っている美保関少弐と﨔木長門は、急いで止めに入る。

天満「待って! この人は敵じゃない!」

 机の下に倒れていた者の正体は、すぐに判明した。

顕「…騒がしいな…課金しようよ…」

生田「せ…先生?」

顕「…ん? ああ、生田君か…今日は休み、講義も演習もなかったはずだよ? 私は家に帰って『学園偶像祭(スクフェス)』をplayするので、寝る…」

天満「はぁ…まだ寝惚けているんですか? 叩き起こすしかないみたいですね…」

塔樹「や…やめろ、やめるんだ少弐殿! そんな事をしてはいけない!」

﨔木「タイムラインに晒そうっと」

斎宮「…いや、何で俺を撮ってんだよ? そもそもネットつながらないだろ!」

天満「まずは、上半身をですね…」
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