第4章 「月」THE MOON

天満「お前も裂き烏賊（いか）焼きにしてやろうかっ!?」

仁「あ…あの戦闘機が、敵さんを吹き飛ばしてくれた！ めぐちゃんは、残りの化物を雷撃します！」

幸「よし今だ、全軍突撃！」

念々佳「美保、後ろに敵よ！ 急旋回して！」@F/A-18E

天満「あ゛ぁ゛っ！ いつの間に？」

莓「天満、今助けに行くよ！」@Su-37

﨔木「いや、美保は俺が守る！ 莓ちゃんは、前のほうを見張って！ 全く…どうして人間は、いつまで経っても戦争をやめられないの？ こんなの、ただの殺し合いじゃないか！」

航「所詮（しょせん）silent majorityは、平和だろうが戦争だろうが、面白ければ何でも良いと思っているんだ、無意識にな…」

念々佳「レーダーが更新されたわ。長門の言った通り、前方に敵反応！」

莓「あれは…戦艦？」

航「軍艦だと？どうして侵入に気付かなかったんだ！」

クリスタロス「…敵の数が多過ぎる、解析が間に合わない！」

幸「このタイミングで敵軍の増援だと？ くっ…鉄の暴風だ、身動きが取れない！」

グレーテル「敵に包囲されました！ 罠にハマったようです…」

航「Gretel、離脱できるか？」

グレーテル「砲火が、激しい…もう駄目です、あーっ！」

莓「ラズールⅢも堕天しました、味方はあと５機！」

天満「チッ…もうすぐ蓬艾の援軍が到着する手筈よ、それまで持ち堪えて！ 警報が止まらない…あ゛ぁ゛っ！ スタビライザーがイカれて来たわ…」

念々佳「いくら美保でも、これ以上は無理だわ！ ベイルアウトしなさい！」

﨔木「そうよ、脱出して！」

天満「あぁ…回路がぶっ壊れたみたい、碌（ろく）にボタンが反応しないわ…仕方ない、不時着します！ 着陸形態に移行できるか、試してみる！」

念々佳「美保が離脱すれば、残りは４機ね…」

﨔木「頑張って！ 俺が迎えに行くから、美保は地上でﾁｮｯﾄﾏｯﾃﾃｰ！」

クリスタロス「ポタージュⅡは持ち場を維持し、戦闘を継続せよ。許可あるまで、戦線離脱は認められないわ」

﨔木「持ち場なんて関係ない！ 安楽浄土から断頭台まで、最期まで美保を護るのが、俺の天命なんだ！」

航「…了解した、長門。貴様は自分の信念で行動しろ、命令だ！」

﨔木「ありがとうございます！ じゃあ俺は、美保救出のため、着陸します！」