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【HQ東】君の相手をこの俺に

第2章 優先すべき事


そうやって後輩達が騒いでいるところに
「確かになー。特段明るい奴ではないけど」
菅原がそう言いながら少し前を思い出す。クラスに行けば何かしら裁縫だか手芸をして、何度行っても対応してくれて、人見知りそうなのに声をかければ寄ってくる。旭を怖がる事もなく、残念がる事もしない珍しい女子。
「苗は良い奴だと、思う。頑張ってまで夢中になれるもんを持ってる人はそうだと思う。。」
(そうそう。名は毎日、俺達みたく遅くまで残ってずっとなんか作って、ミシン踏んで、作って・・・・)
東峰は澤村達が言うことをその通りだと思いながら、あのまだ少し寒かった時期に見たドレス姿の名を思いだし
(・・・・!!!!!!!!!)
カァーーーっと赤くなる東峰。その反応に
「うひゃー、やっぱり旭さん!そうなんっすね!そうなんっすね!」
「うわっ!こっちまで恥ずかしくなるからっ!!」
「赤くなるな気持ち悪いっ!!!」
「男は攻めですよ旭さん!!!!」
と2年生からの応援と3年生からの邪険な扱い。
「わ、わ、照れてる訳じゃないから!別にそーゆー訳じゃないから!っ!っっっ!!!」
気温のせいか、暑さのせいか、どうして熱いのか、せっかく着替えたばかりなのに変な汗がでる。やっぱりそうなのだろう。目指す春高、それまでの大事な試合、間近なテストに3年生という進路時期。考える事も、やるべき事もたくさんあって隙間はないのに
「旭さん、いつ言うんっすか」
「早く言ってしまいましょー旭さん!」
「だから違うからっっっ」
2年に捕まる東峰
「その辺にしとけー」
「お前らは勉強だろ」
と3年からの救いの手、それでも止めない様子に
「はいはい。恋も勉強も人の事よりまずは自分の心配しろよー」
と縁ノ下に首根っこを掴まれ現実を突きつけられてテンションが下がりきってしまう2年生二人。
「じゃーな。縁ノ下、悪いけど頼んだな」
「「お疲れー」」
そうして1年生達の応援もして部室を後にする。
「そっかー旭がねぇ」
「恋愛にうつつは抜かすなよ!」
「しないよっ!」
そうして坂ノ下商店につき、いつもの席を見れば待ってましたと言わんばかしの名の笑顔。





つい先ほど恋愛はしないって言ったけど、
支障が出ないなら良いだろうか?
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