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よるがあけるよ

第4章 水族館廃墟


遠くから少しずつ攻撃することの繰り返しになるかと思ったが、そう楽には倒せないようだ。
「推測:10D1機での破壊は困難。推奨:早急に12Sと合流する」
『どこに居るかもよく分からないのに……。』
建物が要り組んでいるせいでブラックボックス信号で場所を特定する方法もあまり意味がない。
12Sなら10DのGPSの発信をマップで確認出来る。多少拓けたこの場所なら見つけられないこともないだろう。
今狭い場所に逃げ込めば、走っている内に追い詰められて死ぬ可能性が高い。
ここは12Sがこちらに気付いて駆け付けてくるのを待つ他ないと考え、10Dはポッド107になるべく派手な音の出る攻撃を続けるように命じた。
『ポッド、あいつ結構速いね。』
逃げ回りながら10Dがポッド107に言う。
「報告:本物のホホジロザメは時速25kmで泳ぐ。このサメ型機械生命体はそこまで速くない。推測:油断しなければ捕まりはしない」
『そっか。弱点とかはない?。』
「推測:見たところ頭や背は分厚い装甲で覆われている模様。腹部であれば普通の機械生命体と強度は同程度であるが、何らかの方法で身動きが取れない瞬間を狙わなければ攻撃は困難である」
『身動きを取れなくする方法……ポッド、スローやってみて。』
「了解」
ポッド107がプログラムをスローに切り替える。
照準にサメ型機械生命体を捉えると、間髪入れずに放った。
『ありがと、ポッド!。』
しめた、と10Dがサメ型機械生命体の懐に潜り込み破壊しようと刃を入れる。
しかし内部の何処かに引っ掛かってしまったようで、思うように振ることは叶わなかった。
『…………!。』
もうスローが切れてしまう、と10Dは直ぐさま武器から手を放して逃げる。
足場を蹴りサメ型機械生命体から距離を取ろうとしたが、ほんの一瞬間に合わなかったらしく大きな尾で弾かれた。
『うぁ………っ。』
何とか足を踏ん張り転倒を避けるが、すぐに追撃が迫る。真正面から突っ込む気だ。この距離では逃げられない。
ポッド107がレーザーで援護射撃を行い、サメ型機械生命体に命中させる。
すると少し軌道が逸れ、サメ型機械生命体は10Dに当たるか当たらないかという所に衝突した。
『……っ。』
寸での所で大破せずに済んだ10Dだが、服がサメ型機械生命体の歯に引っ掛かってしまい逃げようにも動けない。
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