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よるがあけるよ

第4章 水族館廃墟



謹慎4日目に入った頃、日誌を書き足しながら過ごしていると何やら聞き慣れない音が自室まで響いてきた。
『うわ……。何だろうね、今の音。』
「報告:司令室の方で鳴っている」
サイレンを聞き付け、10Dとポッド107が司令室を覗きに行く。
大きなモニターは全面真っ赤に、エイリアンの出現を告げるアラートが表示されていた。警報に釣られて他のヨルハ隊員も数体集まっている。
『エイリアン?。どこで?。謹慎してる場合じゃないね!。』
リフトの横から、少し興奮気味に司令室を見下ろす。
オペレーターの活動スペースでは、14Oを含むほとんどのO型がPCに向かい忙しそうに手や口を動かしていた。
司令官も通信機を通して誰かと会話をしている。恐らく他のバンカーの司令官とだろう。
下に降りようか迷っていると、エイリアンについてのアナウンスが流れた。
〈地上にて、超大型機械生命体との交戦中に地面が広範囲に渡り陥没。そこからエイリアンの反応がありました。場所は昼の地帯なので、当バンカーの皆さんは命令があるまで部屋で待機してください。繰り返します……エイリアンの反応があったのは昼の地帯ですので、当バンカーの皆さんは……〉
それを聞いて、集まっていた隊員はぞろぞろと通路へ出ていった。10Dも後に続く。
『昼の地帯かー、私も行きたいな。今混乱状態だからこっそり抜け出せないかなぁ。』
「警告:命令違反は罰則の対象となる。推奨:自室での待機」
『はぁーい……ちぇっ。』
返事はしたものの、往生際の良くない10Dは格納庫に行く。
「警告、警告」
後ろからポッド107が追いかけて止めようとする。
『見るだけ!。見るだけ!。』
襟首を掴んで阻むポッド107はそのまま10Dに引っ張られていった。
『……あれ?。』
目の先を見て突然立ち止まった10Dはポッドに声を掛ける。
『ポッド、格納庫ってこんなに狭かったっけ?。』
「……報告:10Dの入ったのは格納庫ではなく、サーバー室である」
室内を見回した後でポッド107が答える。どうやらポッド107も気が付いてなかったようだ。
「推測:方向音痴」
『今更だから推測しなくてもいいよ。』
「推奨:自室へ戻る」
ポッド107は再度10Dを引っ張って帰らせようとする。
『イヤ。格納庫に行く。』
エレベーターの前で言い合う2機を見て、サーバー室に居た隊員が近寄った。
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