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よるがあけるよ

第7章 大規模侵攻作戦


駅廃墟のプラットホームに1機の飛行ユニットが着陸した。
『もう!。14Oと通信取れなかったせいでどこ降りればいいか全然わからなかったじゃん。補助してって言ったばっかなのにホント使えないポンコツオペレーター……って、ポッド居ないんだっけ。独り言にしかならないな。』
飛行ユニットから降りた10Dはポッド107が傍らに居ないことを思い出して舌打ちをする。
辺りを見回してみるけれど、初めて来た場所らしくどこに着いてしまったのか分からなかった。
ホームから降り、レールに沿って歩いて北側を確認する。
『こっちには崖か。ならレジスタンスキャンプは……。』
レジスタンスキャンプがあると思われる方向を見るけれど、実際にはどうなのか分からない。
『………まぁいいか。歩けば何とかなる。』
崖にせり出した高架から下を覗きこむ。
興味本位で覗いたが、渓谷は底無しに深く何も捉えられない。
『…………?。』
ふと、10Dは誰かと目が合った気がした。けれど視界にはただ暗闇だけが広がり、やはり気のせいだと思いホーム上へ戻る。
「……ォ…………」
遠くから音が聞こえる。見ると少し離れた所から小型短足の機械生命体が迫ってきているのが確認できた。
カシャン、カシャンと一定の速度でこちらに前進してくる。腕に何かを抱えているけれど、見た限り武器ではないようだ。
『弱そう。肩慣らしに丁度良い。』
10Dは向かってくる機械生命体との距離を一気に詰め、そのまま小剣で胴を貫く。
『あはは。1発で壊れた。』
機械生命体の目が激しくチカチカと点滅するのを見ながら笑っていると、不意に10Dの聴覚センサーが奇妙な音を感知した。
「………チャ……ナンデ…………」
機械生命体が普段出さない音だ。何かの間違いだろうか。
「………オネ、チャ……」
『…………?。』
再び発せられた音に10Dは耳を傾けた。
『は?。何いまの音!。』
もう一度音が出ないかと期待して小剣で機械生命体を揺さぶる。
『ねぇ、喋れるの?。機械生命体のくせに人類と同じ言葉を扱うの?。』
機械生命体は何も答えなかった。目の点滅が段々と遅くなる。
『その言語を使ってた生物をお前たちがみんな滅ぼしちゃったんだよ?。なのにどうして使おうだなんて思えるの?。殺したくせに。殺したくせに。』
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