第3章 後夜祭のお伽話
「…」
「…」
教室を出てからかれこれ10分、ずっとこのまま。
もちろん、松永さんがなぜ私を選んだかも謎である。
かと言って、この空気で言葉を切り出せるほど私のメンタルも強くな…
「小咲さんってさ、」
「ひえっ、」
び、びっくりした…やるなあ松永さん((
「瀬川くんの彼氏なの??」
「え、皐月?」
なんだ皐月のことかー、もう。(聞きなれた奴)
「ちがうちがう、私はただの幼なじみだよー」
「ほ、ほんとに??」
「ほんとほんと!!恋心なんかお互い一切ないから!!」
よかったぁ…と安堵する松永さん。
キツい性格かと思ってたのに、なんだろう、可愛いぞ。
「…あのね、実は私、瀬川くんのこと好きなの。それで、今度の文化祭一緒に…その、まわりたいんだけど…、さすがに2人きりは恥ずかしいから、ほら、瀬川くんって三木くんと仲いいじゃない?三木くんはもう誘ったから、その…」
もじもじしながら言う松永さん。
良かったね皐月、君はこんな美人に好かれてるんだぞ…
「私が皐月を連れてこればいいんだね!!」
「小咲さん…ほんとうにありがとう!!!」
「美優でいいよ!!えっと…」
「小菜美!って呼んで!!よろしくね美優ちゃん!」
小菜美ちゃん…名前まで可愛いだと。
「じゃあ、さっさと買い物終わらせましょ!!」
「そうだね、頑張ろー!」
…こ、こんないい子だとは思わなかった…すっごい可愛いし、くっついてくれたら私も安心なんだけどなあ