第10章 素直な感情
僕の幸せ願ってくれるなら、由佳が一言
誰よりも好きです。
って言ってくれればいいだけなんだけどね…。
会計を済ませこの辺をぶらぶらすると言うことになった時
、ふと手が温かくなった。
由佳が僕の手を握っているからだ。
「ちょっと、なに?人なんていないデショ…。」
「人がいないから…知ってる人も…だから…少しだけでいいから、こうしてたらダメかな…?」
「………勝手にすれば…」
そう精一杯言うと由佳から顔を背けた。
多分僕は今顔が真っ赤に違いないから…。
今日の由佳は少し変だな。とも思った。
普段ならこんなこと言わないし…
「大地さん」と何かあったのだろうか…?
でもわざわざ聞きたくはないし…。