第10章 素直な感情
「桜貝、沢山見つかるといいね。」
ってそっぽを向きながらいうと
「そうだね!蛍と一緒に幸せを持ち帰れるといいな!」
っていう由佳は
初めて会ったあの時の微笑みで…
今回は捕まってしまって、
その微笑みから目が離せなくて、
ただ由佳を見つめてると、優しく甘い声で
「蛍…」
夢なのか現なのかもわからなくなるような感覚に陥り…
ザパーンと大きな波の音で
戻ってこれた感じがした。
慌てて、
「探しにいかないの?」
って急かすといつもの由佳に戻って
「蛍よりいっぱい取ってやるぅ~!!」
なんて騒ぎながら砂浜を屈みながら探している。
僕もある程度集めないと、
飾るにも見た目がわるいからな。
と思い屈みながら探した。