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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第6章 信頼


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 ここから『変動座標点0号 大空洞』を目指すには、『未確認座標X-C 大橋』、『未確認座標X-B 爆心地』、そして『未確認座標X-F 校舎跡』を通過する必要がある。敵がどの程度いるのかは分からないが、とにかく進むしかない。

 『大橋』に差し掛かったところで、またあの骸骨の怪物が出現した。敵影、18。うち2体は飛び道具を持って、柱の陰に身を隠している。物陰に身を隠してはいるものの、完全に隠しきれてはいないところを見るに、この種の敵はどうやらあまり知性が高くはないらしい。
「アヴェンジャー、10時と2時の方向。そこにいる物陰の敵から仕留めて。あいつら、刀を持ってるように見せかけてるけど、腰の辺りに隠し持っているのは投げナイフだと思う。放置すると多分厄介。」
「……成る程、確認した。良い指示だ。」
 アヴェンジャーはそう言うやいなや、真っ先に10時の方向へ走った。意表を突かれたらしい骸骨は、持っていた刀でアヴェンジャーに斬りかかったが、刀ごとアヴェンジャーに粉砕された。2時の方向にいた骸骨は、腰の辺りから投げナイフをするりと抜き放ち、私を目がけて投擲してきた。その狙いは、寸分の狂いも無く。そして、私を殺さんとする狂気があった。分かっていても、この速度では、およそ『人間』に避けることなんて出来ない。――――――――しかし。

――――――キンッ!

 鋭い音と共に、投げナイフは弾かれ、踏み潰された。それと同時に、2時の方向にいた骸骨は、その身を焼かれていた。それを合図にするようにして、残りの骸骨が、私を目がけて一斉に斬りかかってくる。跳びあがって勢いをつけて、私に斬りかからんとする。
「アヴェンジャー!」
 私の声と共に、私の体は宙に浮く。アヴェンジャーに抱えられて、空中に回避したのだ。骸骨の怪物は、その攻撃こそ強力かもしれないが、その特性として、連続攻撃が難しい。一撃を避ければ、たとえ数が多くてもこちらに反撃のチャンスが巡ってくる。敵からは絶対に目を離さない。これが、戦場の基本だ。
「今!」
 敵が態勢を崩したこの隙こそが、絶好の機会だ。
「はあっ!」
 アヴェンジャーは、狭い範囲に密集している骸骨の怪物たちを、まとめて焼き払った。骸骨たちは、はじめからそこに存在しなかったかのように、呆気無く霧散した。
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