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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第10章 補完&後日談


☆☆☆



「『調停者(ルーラー)』の名の下に命ずる! サーヴァントよ、此処より出ていけ……!」

 ジャンヌ・ダルク・オルタ――――正確にはその姿を模した存在―――――が、旗を地面に突き立てながら、叫ぶ。同時に、敵を中心として、闇色の光を放つ魔法陣が展開された。
「させるか……ッ!!」
 アヴェンジャーは、鉤爪を前へ突き出しながら、敵へと襲い掛かった。しかし彼は、敵の喉笛に牙を突き立てる前に、跡形もなく消えてしまった。
 しかし、当然のことながら、サーヴァントという存在はそう簡単に無力化されない。一瞬のうちに霊基を消滅させることなど、余程の事でない限り不可能である。アヴェンジャーは、単に強制退去させられたに過ぎない。早い話が、転移魔術の応用であった。予め陣地内に魔術を仕込んでおき、敵がその領域内に侵入した瞬間に、その効果を任意に発動させるという、単純な仕掛けだ。短時間で発動できるだけあり、そこに殺傷能力は付与させづらい――――――そういった類の魔術だ。人間が相手ならともかく、サーヴァントにダメージを与えられるような代物ではない。それどころか、高い対魔力スキルを持つ相手ならば、そもそもそのような魔術など、容易く無効化されてしまう。しかし、巌窟王はアヴェンジャーだ。対魔力スキルが皆無であったことが、災いとなったのだ。

「――――――。」
 男が目を開けると、そこは何とも無機質な、キューブ型の空間であった。圧迫感はあるが、完全に身動きが取れないというわけではない。ただ、空間として隔離されているという感覚。手狭な牢獄、というのが、しっくりと来る表現だ。男は、そこにいた。

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