第2章 合同合宿1
タオルを借り、ランドリーに向かっている途中黄瀬に会った。
「あれ、月希っちじゃないっスか」
『あ、黄瀬じゃん』
お互い顔を合わせると2人とも軽く笑った。
黄瀬も何か洗濯するものがあるのかな、と思った。
『黄瀬も何か洗濯するのか?』
「今日使ったTシャツとハーフパンツとタオルがすっげぇ汗臭くって!これは流石に洗わなきゃな〜って思って」
合宿は2泊3日だから、カバンの中に入れておくと帰ってきた時大変になるもんな。
俺もTシャツとタオルを洗いたかったが、Tシャツは今着てるし タオルは部屋に置いてきてしまった。まぁ明日洗えばいいや。
「月希っちは何洗濯するんスか?」
『あ〜俺は』
あ〜危ない!ズボンはまだしも、下着って言ったら完全に怪しまれる!
『俺はズボンだけ洗いに来た』
「ズボンだけ?」
『そう!ズボンだけ!』
そう言いながら洗濯物を勢いよく洗濯機の中に入れた。
黄瀬は少し不思議な表情をしながらこっちを見ていたが、ふと何かを思い出したような顔をした。
「そういえば、火神っちが自販機が置いてある休憩室で頭抱えてたんスけど 月希っち何か知らない?」
『火神が頭を抱えてた?』
「そうなんスよ!耳真っ赤にしながら頭抱えてて!」
あぁ完全に俺のせいじゃん。けど事実を言ったら黄瀬は混乱すると思う。すると思うというか、確実に混乱する。
『あ〜、恋愛で何かやらかしたんじゃない?』
「え、火神っち彼女いるんスか?」
あぁやばい更にややこしくなる!多分あいつに彼女はいないぞ!
『いやいないと思うけど、その、な?』
「……何となくわかったっス。触れちゃいけない事っスね」
そう触れちゃいけないんだ。まさか男同士でそういう行為に及んでいたんだなんて。