第1章 〖 青葉城西 〗赤い薔薇 〖 及川徹 〗
及川視点
珍しく香が誘ってきた。
嬉しい。ずっとニヤニヤしてたみたいで
マッキーとかまっつんから気持ち悪いとか言われてたけどさ、この嬉しさを自慢しても絶対同じこと言われるだけだから諦める。
なんたって今の俺は超絶気分がいいから!!
そんなこと思いながら部活を終わらせて、
同時に女バレも終わったみたいだから香を呼びに行く。
その瞬間女の子達が俺のところに来る。
ごめんね、君達じゃないんだ。
『徹!』
待ちに待った彼女の声、いつ聞いても癒される。
今日は都合よく俺の家族は旅行中。
ってことは、香が朝までいれるってわけで、
なんて考えるとまたにやけちゃうからシャットダウンして目の前の香に集中する。
「ほら、帰ろ。」
こうやってすると同棲してるみたいだよね。
手を出して手を繋ごうとしたら、
『ん、』
ぎゅ、と手に温もりを感じて俺の驚きは止まらない。
心臓が口から飛び出そうで、こんな甘えを見たことがないから、多分ビックリしてる。
「甘えたさんかな?ほーら、帰るよ。」
平常心を装って、心臓をバクバクさせながら手を引き俺の家に向かう。