第3章 また生きる事
自己紹介を終えて他愛ない話しをしていると、思い出したようにミーナが口を開いた。
「そう言えばさ、明日は早速、立体起動装置の適正試験があるみたいだよ!」
それを聞いて少し驚いたような顔のハンナ。
「今日の明日で?少し早すぎるんじゃない?」
「だって3年って長いようで短いじゃない。みんな脱落しないように頑張らなきゃね!」
ハンナの言葉に、ミーナは軽く拳を握ってみせた。
私とミカサはほとんどの会話を聞き役に回り、ミーナとハンナの話しを聞く。
会話は途切れる事なく、これが同世代の人付き合いのやり方なんだろうな。と感心している私の耳に、ミーナが知っている人物の名前を上げた。
「やっぱり、訓練兵になったからには憲兵団を目指したいんだけど、今日のジャンみたいなのはイヤだよねー。」
やけに聞き覚えがある名前。
ジャン?
何でジャンが出てくるんだろう?
『ジャンと何かあったの?』
疑問に思った事をそのまま口にする。
「ミサキ、恫喝には見かけなかったけど、ジャンの事知ってるの?」
『知ってる……って言うか、私今日ジャンに助けてもらってここにいるの。』