第3章 また生きる事
男性寮と女性寮は少し離れているらしく、廊下でジャン達と挨拶を交わし別れた。
女子寮は男子寮ほどは離れていないらしいけど、人数が多いからなのか、部屋数も多い。
私の部屋は──…
と、あった!ここだ。
ーコンコン
一応ノックしてドアを開くと、そこには黒髪の綺麗な女性と、同じく黒髪を両サイドで結んでいる女性、そしてソバカスがあるけど可愛らしく笑う女性が私に目を向けた。
『あ……あの。ここで寝泊りをすることになった、ミサキ サカシタと言います。みんな、よろしくね』
軽くお辞儀をしてぎこちなく笑う私。
そんな私の姿を見て、二つ結びの子が明るい声を出す。
「うわっ!ミカサと言いミサキと言い、かっわいー子だね!私はミーナ!よろしくね!」
元気良さげな挨拶にソバカスの女の子が続く。
「私はハンナ。怖いの苦手だから怪談話はしないでね。」
可愛い回答にミーナが声を上げて笑った。
「もー、バカにしてるでしょ皆ー!」
ふくれっ面で凄むハンナの姿は、とても可愛らしくて、自然と頬が緩む。
黒髪の綺麗な女の子に目をやると、パチリとぶつかった視線に気付き、
「私はミカサ。ミサキ、よろしく。」
と言われた。
教官から聞いた話しでは、訓練兵は三年の訓練を経て、それぞれが希望する団へと入団するらしい。
つまり、三年間はこのメンバーで寝泊りをする事になる。
今まで友達がいなかったから上手くやっていけるのか不安だけど、少しずつ頑張っていこう……。