第3章 また生きる事
ーコンコン
教官室のドアを、ジャンがノックすると「誰だ。」と言う低い声が聞こえた。
「訓練兵所属、ジャン・キルシャタインです。兵団に所属していない女性が敷地内にいましたので保護しました。」
こちらを向き、小さく頷くジャン。
「入れ。」
低い声の返答に、私もジャンを見て小さく頷く。
ジャンはコクリと喉仏を揺らし、ゆっくり手を離すと、教官室の扉を開けた。
前に出たジャンの後ろに着く形で警戒しながら中に入る。
まず、部屋に入って目に映ったのは沢山の本棚。
真正面に置かれた応接用と見られるテーブルを挟み、奥には書類の束が置かれた机。
そして窓際の奥には、強面でスキンヘッドの男性が座っていた。