第14章 For your happiness
「うん、任せろ」
UFOキャッチャーの前に行き雅紀の好きそうな物を探す………はて?雅紀って何が好きなんだ?動物が好きなのは知ってる、実家で色々飼ってたって聞いたから…でもそれ以外で雅紀の好きなものってなんだろう?
「ねぇ、雅紀の好きなものって何?」
隣に立つ雅紀を見上げ問いかけた。
「そんなの決まってるでしょ?」
微笑みを浮かべる雅紀…
『決まってる』って言われても俺にはわからないよ…俺、恋人失格なのかな…雅紀のこと何も知らない…雅紀の好みそうな物とか、好きだって言ったものとか何も記憶にない。
段々自分の至らなさに落ち込んできた…俯いた俺に降ってきた言葉。
「和さんしかないでしょ?」
「へ?」
再び雅紀を見上げると俺の大好きな優しい笑顔で俺を見つめてる。
「俺の好きなものは和さんしかないでしょ?」
ほんとに?俺に遠慮とかしてるんじゃなくて?
「雅紀…俺に不満ない?」
「何、急に?あるわけないじゃん」
「だって俺…雅紀のこと何もわかってないから…」
「和さんはさ、俺に愛されてるのわかってる?」
「うん、それは嫌ってほどわかってる…」
「なら、わかってるよ…俺のこと」
雅紀は俺の腕を掴むと引き寄せられた。
「俺の全ては和さんで埋まってるから、それだけわかっててくれてれば俺のこと十分わかってるよ」
雅紀の腕にぎゅっと抱きしめられ優しい声でそう告げられる。
雅紀の力強い腕に抱かれそんな声でそんなこと言われたら…
「ま、さき…」