第14章 For your happiness
「じゃあ行こう」
雅紀が俺の手を握り歩き出した。
「どこ行くの?」
「食事の時間までそんなにあるわけじゃないから取り敢えずゲーセンで時間潰そ?」
「え、なんで?ゲーセンなんて行かなくていいよ、雅紀の好きなとこ行こう?」
「いいんだよ、和さん歩き疲れてるでしょ?少しゆっくり出来るとこ行こう」
「だからってゲーセンじゃなくても…」
「食事前にお茶するわけいかないでしょ?だったらゲーセンで遊ぼうよ」
「ほんとにそれでいいの?俺に合わせなくていいんだよ?」
「さっきも言ったけど和さんが楽しんでる姿見るのが楽しいの、だからいいんだよ」
「う~ん、わかった…」
ちょっと納得出来ない気もするけど雅紀がいいならいいか。
なんて思ってたけどゲーセンに来てしまえば俺の世界で…
「やったねっ!」
雅紀とアーケードゲームの対戦をすれば手加減ナシの勝率100%…
俺に負けても一切嫌な顔をせず、『さすが!和さんには勝てないや』なんて誉め続ける雅紀。
ふと我に返り自分がひとりで楽しんでることに気がついた。
「ごめん、雅紀…」
「なに、どうしたの?」
「これじゃ雅紀のお祝いにならないよ」
「なんで?」
「俺ばっか楽しんじゃってる…」
「そんなことないって、俺も楽しいよ?」
「でも…」
「じゃあさ、次あれやろ?」
そう言った雅紀の指が指したのは
「UFOキャッチャー?」
「そ、あれで俺の為に何かとって?」