第14章 For your happiness
「やっぱりそうたったんだ」
「やっぱり?」
「うん、今回女装したのって翔ちゃんと智に言われたからなんだよね…あのふたり今日も女装してデートしてんの…俺がメイク教えたんだけどさ、その時ふたりして楽しかったって言うし、翔ちゃんは雅紀が絶対喜ぶって言うし…だったらやってみてもいいかなって、いつも俺のゲームに付き合わせちゃってるからたまにはね」
「良かった…翔ちゃんに女装させといて、じゃなきゃ今日の和さんはなかったんだもんね」
「そうだな、翔ちゃんと智に薦められなければなかったな…しかも自ら2回目するってよっぽど楽しいんだろうなって思ったから試してみたくなった」
「で、実際どう?楽しい?」
「ん~、まあまあ?初っぱな馬鹿女たちとやりあうとは思ってなかったけどたまに外出るのも悪くないな」
ほんとは凄く楽しい。外で雅紀と手繋ぐなんてあり得ないんだから…でもこんなところも素直に表現出来なくて、そう思ってるのに雅紀は俺を見つめて優しく微笑むんだ。
「和さんも楽しんでくれてるなら良かった」
雅紀には言わなくてもちゃんと伝わってるんだよな…ほんとは俺がめちゃめちゃ楽しんでること。
ひねくれた俺の表現をちゃんと理解してくれるのは雅紀くらいだよ…俺って雅紀に甘やかされてるなぁ、ってこういう時凄く感じる。
智に『翔ちゃんに甘過ぎ』って言うけどさ、智からすれば『相葉はニノに甘過ぎ』ってことなんだろうな。