第14章 For your happiness
「うわっ!可愛い~!ふわっふわだよ、雅紀も触ってみてよ」
ウサギやモルモットがいるコーナー、予想以上の手触りの良さと可愛さに俺のテンションは上がってく。しかもおとなしくて噛みついたり引っ掻いたりなんて全く心配なかった。
「ふふっ、ほんと可愛い」
雅紀が俺の頭を撫でた。
「違うよ、触るのはこっち」
雅紀の前にモルモットを差し出す。
「え~、だって和さんの方が可愛いし、触り心地もいいんだもん」
「な、なに言ってんだよ」
「あ、でも服着てない時の方が触り心地いいけどね」
俺の耳元でそんなことを囁くから顔が熱くなる。
「バ、バカなこと言ってるんじゃないよっ」
「え~、ほんとのことなのに…あれ?和さん顔赤いよ」
だから、爽やかな笑顔を見せながら言うセリフじゃないっつうの!ほんとこいつは見た目と中身が違うんだから…こんなにも俺を動揺させるのはお前だけだからな。
ふれあいコーナーを出ると休憩所で椅子に座ってひと休み。
「和さん疲れたでしょ?」
「う~ん、歩き続けてるからな、営業で外回りするのとは違う…でも思ったよりも楽しかったよ動物園、見てるだけでも癒される動物いたし」
「それなら良かった…和さんどこだったら飽きないかなって考えたんだけど思い付かなくて、結局俺の行きたいところになっちゃったから」
「それでいいんだよ、お前の誕生日なんだから今日は俺に合わせる必要ないって」
「ん~、でも和さんが楽しんでくれることが俺の楽しみでもあるし、和さん見てるだけで俺は癒されるし…だから和さんが家でゲームしたいって言うなら今日もそれで良かったんだけど、でもそうしないで良かった…和さんとこんなデートが出来るなんて夢みたい…翔ちゃんに女装させた時さ、大野さんのこと凄く羨ましく思ったんだ」