第14章 For your happiness
「もぉ、相変わらずなんだから…」
やっぱり雅紀にもそう思われるよな…ほんと可愛くないと思うよ、この性格。
「なんでそんなに可愛いの?このまま家に連れて帰りたいけど、折角綺麗な和さんと外でデート出来るんだもんね…デート楽しんだ後た~っぷり可愛がってあげるからね?」
「は?どこが?可愛いの?」
「最初から言ってるでしょ?照れ屋な和さんが可愛いの!」
俺を抱きしめてる雅紀の腕に更に力が込められぎゅっと抱きしめられた。
「雅紀、ここ外だから…」
「外でも大丈夫、今日は和さん女の子だし、誰も怪しい目で見てないよ」
怪しい目で見てなくても皆チラチラ見てるから…こんな往来の激しい所で抱き合うなんて普通の男女の恋人同士だってそうそうしないよ。
「雅紀、もう移動しよう…デートするんでしょ?」
「え~、もう少しこうしてたい」
「いいから行くよ!後でいくらでも抱かせてやるから今は我慢して」
「やったね!今の言葉忘れないでよ?」
「あ~!わかったから早く!」
一刻も早くこの場から立ち去りたかった俺は雅紀の言ってることなんてよく考えもせずに返事をし歩き出した。
「ふふっ、た~のしみ~」
後ろから走ってきた雅紀が俺の手を取ると恋人繋ぎをしてきた。
雅紀のことを見上げると俺の方を向いてニコッと嬉しそうに笑いかけてくる。
あのふたりの言うこと聞いて正解だったな。