第14章 For your happiness
24日当日、動物好きの雅紀らしく動物園に行くことになった。
家まで迎えに来ると言う雅紀の申し出を断り駅で待ち合わせをした。
駅に着くと既に雅紀は到着していて、腕を組んで壁に寄りかかって立ってる姿はカッコよくて、少しの間離れた所から見ていた。
そんなことをした俺が悪いんだけど、いかにも頭の悪そうなふたりの女が雅紀に近づいていった。
「あのぉ、おひとりですかぁ?」
「え、あ、人と待ち合わせしてますけど?」
「え~、そうなんですかぁ?お暇そうなんで一緒にお茶でもどうかなぁ…なんて思ったんですけど」
「あ、いえ、結構です…予定決まってるんで」
「相手の方、彼女ですか?」
「あ~、いえ、彼女ではないですけど…」
「彼女じゃないならすっぽかしても良くないですか?私たちと一緒に遊びましょうよ?」
しつこい奴らだな、雅紀もハッキリ断ればいいのに…なんだよ彼女じゃないって…確かに違うけどさ…なんだか出掛ける前からテンション下がるなぁ。
「彼女じゃなくても大切な人なんです、だからどんなにあなたたちに誘われても一緒には行きませんよ?まぁ、暇でもあなたたちと出掛けることはないでしょうけどね」
雅紀の爽やかな笑顔とは裏腹にキツい言葉を投げ掛ける雅紀。
相手の女性たちの顔色が変わった。
「は?なに言ってんの?暇そうにしてたから誘ってあげたのに調子に乗らないでよ」
「ほんと…どうせ待ち合わせしてる人だって大したことないんでしょ?」
その一言に雅紀の表情が一変した。
「あんたらにそんなこと言われる筋合いないよ、少なくともあんたたちよりは全然可愛いから」
「本人いないならなんとでも言えるよね」