第14章 For your happiness
ふたりの薦めもあって雅紀の誕生日に外でデートする気になった俺は必要な物を買い揃え当日まで雅紀には内緒で計画を進めた。
前の週の日曜日、当たり前の様に家に来てる雅紀に翌週の約束を取り付ける。
「ねぇ雅紀、24日は外で待ち合わせして外で食事しようよ」
「え?外で?和さんが外でなんて珍しくない?和さんってクリスマスとか気にしない人だと思ってた」
ゲームをしてる俺を後ろから抱きしめて座ってる雅紀の驚きの声に顔だけ振り向いて答える。
「クリスマスじゃないよ、お前の誕生日じゃん…年に一度くらいは俺だってちゃんとお祝いするよ」
「ん~、別にいいのにそんなこと気にしなくて…」
「嬉しくないの?」
「いや、嬉しいけど…和さん外出るの嫌なんじゃないかと思って」
「いいんだよ、俺がお祝いしたいんだから…お前が嫌ならやめるけど」
「そんなわけないでしょ?和さんと外出掛けることなんてそうそうないから超嬉しい」
「だったら決まりね?どこか行きたいとこある?その日はどこでも雅紀に付き合うよ」
「ほんと?じゃあ行きたいとこ考えとく」
雅紀の嬉しそうな笑顔を見て益々楽しみになってきた。
雅紀喜んでくれるかな…
それからの一週間はドキドキワクワクが止まらなかった。俺がこんな風に感じるなんて…雅紀と出逢うまでは思ってもみなかったな。