第14章 For your happiness
翌日翔ちゃんの仕事が終わるのを待ってたら翔ちゃんが申し訳なさそうにやってきた。
「すみません、二宮さん…」
「終わったの?終わったなら行こっか?」
「終わったのは終わったんですけど…」
翔ちゃんが後ろを振り返ると智が立ってた。
「俺も一緒に行くからな」
「え?智も?」
「黙ってるつもりだったんですけど、バレちゃって…」
「なんで?」
「今日家に来ないって言うから問い詰めた」
「はぁ~、智束縛しすぎじゃない?たまにはひとりで出掛けてもいいでしょ」
「ニノとふたりで出掛けるだけだったら行かせるよ、でもメイク教えんだろ?翔じゃちょっと心配だから」
「なんでよ、実践しながらなんだから大丈夫でしょ?」
「ニノは知らないから…翔の不器用さ半端じゃないんだぞ」
「嘘、そんな風に見えないんだけど…でも翔ちゃんに教えても駄目ならどうするの?」
「だから俺が行くの、俺が教わって翔にメイクする」
さも当然といった感じだけど、大丈夫かなぁ…
「智が?大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、これだって学生の時は美術部だぞ」
「ん~、だったら大丈夫か…それにしても智がこんなこと協力するなんて思わなかったな」
「だって女装の翔とデートする為だぞ?協力するに決まってるだろ」
「そんなにいいの?」
「たまにはな。人目気にしなくていいんだぞ?お前もやってやれよ…相葉喜ぶぞ」
智までそんなこと言うのか…よっぽど楽しかったんだろうな…まぁ、外でキスしちゃうくらいだしな。