第1章 promise
「そういえばさぁ、翔ちゃんの初恋も男なんだよねぇ」
「えっ?」
いきなり凄い情報ぶっ込んできたな。
「雅紀!やめろ」
「なんで~、可愛い初恋話じゃん
結婚の約束もしたんでしょ」
「もう、いいから…」
「婚約指環もいつも持ってるって言ってたじゃん」
「あれは小さい頃から持ってたからお守りみたいなもんだよ」
「それでも大切にしてんでしょ~?
大野さん、翔ちゃんって可愛いと思いません?」
櫻井は可愛いけど…
なんだ?話の内容はイライラするぞ?
「大野さん?」
「雅紀、大野さん返事に困ってるから
それよりも二宮さん遅くないか?」
「あぁ、ニノは酒強くないから…
たまにトイレで寝てたりすんだよ」
「そうなんですか?
俺見てきます」
相葉が慌ててトイレに向かった。
「…大野さん、すみません変な話聞かせて…」
「え、あ、大丈夫だよ
子供の頃の話だろ?」
「…はい。その頃俺、男同士で結婚できないの知らなくて…
凄く好きな子だったんで『いいよ』って返事しちゃったんです」
「そうなんだ
それでその後、その子とどうなったの?」
「その子、たまたまおばちゃん家に遊びに来てた子なんで、それ以来会ってないです」
「そっか、でもよかったのかもな」
「え?なんでですか?」
「だって、ずっと近くにいたら悩んだんじゃないか?
男同士なのにって」
「確かにそうですね…
俺、そういうの疎くて、男同士で結婚できないって知ったの、けっこう遅かったんです
小学4年の時に知って…俺、悲しくてひとりで泣いちゃって…
近くにいたら、もっと辛かっただろうな…」
そう言う櫻井は悲しそうな顔をした…
もしかすると、今でもその子は櫻井にとって特別な存在なんだろうか…
だとしたら俺、無神経なこと言ったな…