第7章 急接近
部屋を開けたら上半身裸の男の人が出てきたという恋愛小説にでもありそうなシチュエーションに気を取られていたけど、こうして見るとエルヴィンさんの身体って本当に男らしい。胸板が厚くて腹筋も割れていて。腕も本当に太くて…………
男の人の上半身は何回か見たことはあるが、エルヴィンさんのは断トツでよかった。
『すまないね、この時間帯は風呂上がりでいつもこの格好なんだ。』
まさかハンジさん……………これを狙った…………わけない、よね?
『いえ、私こそこんな夜遅くに申し訳ございません』
『いや、私は嬉しいよ、君が来てくれて。』
ニコ、と微笑み頭を撫でてくれる。
よく見るとエルヴィンさん……………
『髪、おろしているんですね、』
『あぁ………変かい?』
髪をかきあげると照れくさそうにそう問いかけてくる。
『…………かっこいいです』
『ん?』
あっ、やば……
私が小さくボソッと言ってしまった言葉だったので聞こえていないと信じたい………
『あ、あの、この本ありがとうございました!』
『あ、あぁ………ああ、そうだ。ここにある本好きなのを持っていきなさい。』
『ありがとうございます!』
かなりの数の本が入っていた。
『その恋愛小説はどうだったかな?』