第2章 決断
そろそろ帰る時間。
このまま時間が止まっちゃえばいいのに。
なんて思ってたのもつかの間。
『そろそろ行くよ………』
そう言ってエルヴィンさんは立ち上がる。
私はとっさに彼の腕をつかむ。
私の行動にエルヴィンさんは目を見開く。
『…………………また、会いましょう、だから、生きて、帰ってきて、』
目を見て、手を震わせながらそうポツリポツリと訴えかける。
ふっと何かを考えてその答えがでたのか、エルヴィンは
『まったく………君にはかなわないな、………そうだね、また……3年後に、会おう』
一瞬目の前が暗くなった。
私の唇にエルヴィンさんの唇が押し当てられる。
ドアに向かって歩く彼の背中には自由の翼が羽ばたいていた______