第2章 決断
『君は………もう11歳になるはずだね。まだ子供なのに甘えたり、わがままを言ったりしないじゃないか…俺はアンのそういう姿をみたい』
『ど、どうやって………』
方法がわからない。
『君の泣いている理由を教えてくれないか』
そう言うとエルヴィンさんは私を優しく抱き寄せる。ふわっと香水のいい香りと汗の匂いがした。
『ごめ、なさい…………それは、言えない、』
『……………どうしてだい?』
『言ったら………いなくなっちゃう、』
『………ふふ、可愛い理由だね、』
それに、私はエルヴィンさんに内緒に考えていることがある。
私も訓練兵団に入って、調査兵団に入る。
いつも話を聞いていて、大変で辛くて逃げ出したい所だということは知っている。だけど、自由をつかむという言葉が何故か好きだった。
エルヴィンさんも心のどこかで気づいていたと思う。だから私にいろんなことを教えてくれたんだ、調査兵団にならないように。
だから………
『ごめんね、』
『いや、構わない。でも、あと少しだけ、このままでいたい………』