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【文豪ストレイドッグス・文スト】中原中也・中編 ※R18

第2章 (中也とやっぱりえっちしたりすれ違ったりする話)


彼は死んだ。
私が彼の深層心理にあった、楽になりたい、いつまでも寝ていたい、といった思いに同調し、それを促したからだ。
肌に触れた彼は一組織の頭ではなく、1人の男だった。
私がここをでたら1時間後にこれを手首に刺してね、そうしたらいつまでも2人で寝ていられるから………


首相には既に電子文は送信済だった。
「消去しました。隠しフォルダのパスは以下の通りです。ーーーーー」

かの異国に強いコネクションを持つ一会社の社長という表向きの男は、裏社会ではそれなりに顔のきく男であった。
勿論ポートマフィアとの取引も行なっていた。その男が邪魔になった時、ポートマファイアが彼を殺すには体裁が悪く、他の組織の者は彼を消すほど愚かでも有能でもなかった。
首領はすぐに眉根を下げ、困ったような、しかし有無を言わさぬあの笑顔で、を呼び出し、かの男を処分するように伝えた。

ただし、殺し方はいつもの、あくまでも自発的な自殺に見せること。
周りにポートマフィアとの関わりは掴ませないこと。かのトップの男以外は使える駒故、なるべく殺さぬこと。
殺す前に彼の社内のデータを根こそぎ奪うこと。そして、その奪ったことには気付かれぬこと………

(無茶ばっかり言ってくれるんだから…)
は、夕日のような色をしたカクテル、テキーラサンライズを飲み干すようにグラスを傾けた。
オレンジの酸味が、疲れた喉を潤していく。


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