第6章 2人の距離 6
そんなことはどうでも良くて。と紙袋を机に戻し中を開けて見ている相葉さんは、わぁー!すげー!とかなんか色々言っている
「俺的にさ、拘ったんですよ。これ。まず由梨ちゃんヘアメイクじゃん?だからずっとつけるなら凹凸がないタイプの婚約指輪で。結婚指輪の方はニノの指にしっくりきそうな感じにした。」
ちなみにこれら全て相葉、櫻井で考えました。とドヤ顔で言う翔さん
「いかがでしょう。二宮様。お気に召しましまっ。あ、噛んじった。」
カッコつけて言う癖に肝心なとこで駄目な相葉さんは放って置いて、ありがとう。翔くん。ついでに相葉さん。と言うと、おう。と翔さんに返事された。
「いや、本当に任せてよかったわ。…俺じゃよくわかんねぇもん」
ついでかよー!と言う相葉さんをスルーしてそう言うと、買う気なかったもんな。と言う相葉さん
「買う気なかったけどさ。きっかけが作れて良いわ。」
俺がそう言うと、そういえばさー。と翔さん
「今日は大丈夫なの?最近ニノ早く帰んなきゃとか言ってたじゃん」
あぁー。それね。と言いつつタバコに火をつけた
あの彼と出くわした時、割って入っていったのはやっぱり思った通り輝って人で。
その人が監視している今は由梨も安心なのか魘されることはなくなった。
それよりも俺にとってやっかいなのが由梨の誘惑であって。
まあ出来ちゃえばこんな苦労しないんだけど
「もう別に直帰の理由がなくなったから。それに。今耐え時なんですよ。俺的に」
酔っぱらってるからかこんな事を口走ると当然何があったか聞かれる始末で。
「なに?由梨ちゃんとうまくいってないの?」
心配そうに言う翔さんに便乗して、なんだよ。結婚前に。と真剣な顔になる相葉さん。
「いやいや。違う違う。そういうんじゃないっていうかさ。…なんつーか。あれよ。下の話になっちゃうから。」
もうこれ以上は突っ込まないで。と続けるとニヤニヤしだす2人
凄い嫌な予感がした。
そんな時に話題の中心にいる人、由梨から電話がかかってきた
どーぞ。どーぞ。とジェスチャーする翔さんと相葉さん。
このやろー。と言いながらその場で電話に出た