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2人の距離〜和さん目線〜

第6章 2人の距離 6





「いえ。…和さんらしい。捻ったプロポーズで良いと思います。」
笑いながら言うので俺もつられて笑った


「てことは。してくれるってことよね?結婚」
改めてそう聞くと、はい、お受けします。と言うのでよろしくお願いします。と返した




その後2人とも朝から仕事だった為支度をしながら今後をざっくりと説明した


「えっ?記者会見するんですか?…それに日もないじゃないですか」
びっくりして一瞬手が止まる由梨
書面だけでも良かったのでは。と言うので、まぁね。と答える

「そこら辺はさ。ちゃんと応えとかないとね。」
そうですね。と応えたあと思い出したかの様に、あっ!と言い出す

「そういえば。ちゃんと挨拶伺い直さないといけませんね!ご両親に」
言ってなかったな。と思い出し、前に行ったあれが挨拶だった事を伝えるとまたびっくりしてちょっと笑っている

「…私、ほんと何にも気づかなかった」
そんな事を言うから俺も手が止まってしまいクフフッと吹き出した


そんな時、マネージャーから着いたと連絡があり話は中断された


「とりあえずさ、会見が終わった日に出します?婚姻届」
はい。と咄嗟に答える由梨の唇に軽くキスして、行ってきます。と言って足早にマンションを後にした





その日の夜、家に帰ると由梨は既に帰っていて今後の話し合いという名の晩酌をしていた。


「…引っ越し、ですか。」

正確にはどっちかの家を引き払うだけなんだけどね。と言うと少し考え込む由梨


「まぁ、俺の家の方がセキュリティは良いけどね。でもこの家の方がぶっちゃけると今は居心地が良いかな。向こうは殆ど居ないし。最近は」
由梨に任せるよ。と続けると、わかりました。と直ぐに答える

「…和さんのお家にしましょう。安全面を考慮した方が良いです。居心地は…。自分達で良くしていきましょう!」
うんうん。と頷きながら言う由梨に、じゃああいつの置く場所ちゃんと考えてやらないとな。と視線を棚に移した。
そこにはいつも通り母子手帳やら写真やら飾ってあって綺麗にされている。


「……気づいてたんですね。」
うん。とだけ応えてビールを飲む

「…良いんですか?…居場所。もらっても」
足を抱えながら俺を見る。


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