第6章 2人の距離 6
「え、ちょっと和さん!笑ってないでもうちょっと情報下さい!」
笑うだけの俺に痺れを切らしたのかそんな事を言う由梨
でもさ、この人気づいてんのかな
今、2人とも下着姿なのを
笑いを堪えながら、とりあえず服着ようよ。と言うと自分の姿を思い出して慌てて着替え始めた
そしてリビングに場所を移しソファに座る
「いやー。上手くいっちゃったねー。もうね、由梨と再会した時からこれ決めてたから」
そう言って由梨に付けた指輪を指す。
「とりあえずさ、もうね。離す気ないから。」
そう言ってニコッと笑ってみせると、あの、外堀通りって?と聞くので、そうそれね。と続ける
「全員にもう許可とってるから。あと、結婚しても良いですか。じゃなくて結婚しますよ。てなってるから」
へ?と素っ頓狂な声を出す由梨がまた面白くて笑ってしまう
「ぜ、全員て?」
由梨と俺の関係者の名前を出した
「だからさ、全部丸く収まるようになってんのよ。仕事も辞めなくて良いようになってるし。後は由梨がこれに乗っかってくれれば良いんだけど」
わざとニコニコして言うと未だに慌てている
「ちょ、ちょっと待ってください!…それもう、何が何でもOKしなきゃいけない状況じゃないですか。」
「だから外堀通り埋めてあるって言ったじゃん。」
俺がそう言うと眉を下げている
「まあ、でもあれだ。由梨に本心聞きたいけど、どうなのよ」
そんな事を言いつつニヤニヤが止まらない
「そんなのもう選択肢無いんだから、ていうか和さんなんて言うかわかってますよね?」
うん。と言って爆笑した。
そして一頻り笑った後ぎゅっと抱きしめた
「強引に決めたのは逃したくなかったから。由梨は直ぐに逃げそうだったから。一度俺、振られてるしね。」
彼と付き合っていたから振られるのは当然なんだけど
やっぱりあの時はあの時でショックだったし今を考えるともう居なくなった時は考えられなかったりする
そして抱きしめ返してきた
「…言ってなかったですけど。凄い嬉しいです。ちなみにこれはプロポーズですか?」
由梨の言葉に思わずクフフッとまた吹き出し
「フフッ。…そうだね。もうちょっとカッコつけたほうがよかった?」
首を振って否定する由梨