第6章 2人の距離 6
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
何も言葉が発せなくてできるだけ体重がかからない様にするのが精一杯だった
上から抱き締めている形で頭を撫でる。
息が整い始めた時に自身を抜いて由梨と俺の後処理をしてそのまま由梨の隣に倒れこんだ。
ぎゅっと抱き締め目を閉じるとそのまま意識を失いそうになる。
「大丈夫だった?」
聞こえるか聞こえないかくらいの声しか出なかったけど聞こえていたみたいで、はい。と答える由梨
由梨も眠いらしく声は小さかった
そう。よかった。と言ってそのまますぅっと意識が遠のいていき気づいたら眠っていた
次の日、目が醒めると最初に飛び込んできたのは由梨が一生懸命下着を探してパンツを履いてる姿で
次にブラを付けようとしていたので手間取っている由梨に、ちょっと待って。とホックを手に取り付けてあげた
そして腕を引きながら倒れまたベッドで抱き締めながら横になる
顔を覗き込むが中々視線を合わせてくれなくてもしかしてと思い、フフッと笑った
「もしかして、思い出しちゃった?…昨日の「あーもー!それ以上は!」」
遮る様に言うのでクフフッと吹き出す
本当にこの人は
どこまでも弄りがいのある人だ
「全く由梨さんは。そんなんじゃこの先ずっとやっていけませんよ?」
そう言って笑うと言っている意味が分からなかった様
「そうそう。もうね。言っちゃおうかな。」
起き上がりササっとパンツを履きリビングに行き自分の鞄から紙袋を取り出す。
チラッと例の棚を見た後直ぐに寝室に戻りベッドに座っている由梨に向かい合う様に座りリングケースを取り出しカパッと開けてみせた
あ、相葉さんの言うカパってやつやっちゃってるわ、俺。
そんな事を思いながらちょっと笑った
「もうね。由梨に拒否権ないくらい外堀通り埋めてあんのよ」
そう言って指輪を取り出し由梨の左手の薬指に婚約指輪を付ける
「え…えぇっ!?」
あまりの驚きに目を見開いて自分の指を見ている由梨
その顔が想像以上に面白くて吹き出した
「やばい。…ほんと面白い。クフフッ。」
手を口に当てて抑えつつも爆笑