第2章 友達と愛想。
「かなり腫れてるな」
意外にも、リヴァイ先生は真面目に手当をしてくれた。意外、とは失礼かもしれないけど、これまで聞いてきた噂が噂だったから、なんだか拍子抜けだ。まあ、あの噂が事実でないのは嬉しいんだけど。
「湿布を貼っておく」
「あ、ありがとうございます」
私達が想像していたリヴァイ先生と実際のリヴァイ先生は、かなり違っていた。確かに、目つきは凶悪で、悪人面……いや、極悪人面だけど、中身は普通なのかもしれない。
「帰れそうか?」
例え、リヴァイ先生の誤解が私の中で解けたとしても、怖いのに変わりはない。あくまで、『やばい世界の人』から『怖い人』に変わったというだけだ。リヴァイ先生の場合、次元が違いすぎた。
座ったままの状態で右足に体重をかけてみる。
うん、さっきよりはましかな。
「はい、大分よくなりました」
左足に重心を寄せながら、ゆっくりと立ち上がる。
「手当してくださって、ありがとうございました!」
さようなら、と足早に保健室を出る。
やっぱり、少し怖いや。
足早に歩いたせいか、捻った右足首が少し痛んだ。
学校からアパートまでかなり近いし、これくらい大丈夫。
「…………」
────明日、一応お礼言おっかな。