第16章 エピローグ
「お前と初めて走ったあの日から、この気持ちはずっと変わらない。十年前に誓ったお前を守るという言葉、一度だって揺れたことなんかない。俺の全てを掛けてお前を守ると何度だって誓うよ」
フットボールフロンティア・インターナショナル決勝戦の朝。これからずっと花織を守ると誓った。円堂大介の最後のノート心のその三”ソコナシノヤサシサ”今もその心は消えず彼の力の支柱となっている。それは花織がいたからだ。
「だから、花織」
目を細めて風丸が花織の名を呼んだ。涼やかな風がふたりの髪を揺らす。風丸は花織を見つめ、花織は風丸を見ていた。他の誰も、映りはしない瞳。風丸は静かに地に片膝を付いて、花織に傅く。真摯な瞳が花織を見上げた。
「俺と結婚してほしい」
その言葉は十年の関係を打ち壊す言葉だった。静寂の中に彼の決意が凛と響く。花織は僅かに目を見開いて、それでも風丸のことを見つめていた。風丸は僅かに顔を赤く染め、強く花織の手を握りただひたすらに言葉を紡ぐ。
「花織を、俺の全てを掛けて幸せにする」
その大きな黒い瞳から静かに涙が零れ落ちた。花織は目を伏せ、彼の告げてくれた大きな決意を飲み込んで、目を伏せる。胸がいっぱいで、心がどうにかなってしまいそうだった。ずっと望んでいた言葉だった。花織の夢だった。
「返事を聞かせてくれないか」