第12章 彼の秘密
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下着の上から直接ウィンディのジャージに袖を通して花織はトイレから出た。花織がトイレから出てくるとウィンディが外で待っていて、花織にタオルで髪を拭かせ、脱いだユニフォームをビニールに入れさせた。彼はてきぱきと花織のために動き、対応をしてくれた。
「ありがとう、ウィンディ」
真新しい匂いのするタオルで髪を拭き終えて花織が、申し訳なさそうにウィンディに言った。ウィンディはこのくらいなんでもない、とまだしっとりとする花織の髪を撫で、花織の手を引いて合宿所へ戻ろうと言った。花織が着替えている間にいつの間にか購入していた一つの傘に二人で入り、日本の合宿所への道を歩く。
……それにしても。
ウィンディはちら、と同じ傘に入る花織を横目で見る。自分のジャージを身に纏った花織。ウィンディはどきりと胸を高鳴らせる。見ているだけで何となく顔が熱いような感じがした。
彼女にとってウィンディのジャージは多少大きいようだった。ぶかぶかとまではいかないが、袖が余っているところを見るとやはり大きいのだろう。自分のジャージを身に纏っている彼女を見ているとまるで花織が自分のものであると主張しているようで、不思議と満足な気持ちになった。
「カオリ……」
「ん?」
「もっとこっち、濡れるから」
さり気無く肩を抱き寄せて花織が濡れないように傘を傾ける。ありがとう、と花織が優しく微笑む。ウィンディは無性に恥ずかしくなってぎゅっと唇を噛んで花織から顔を背けた。何て、可愛いのだろうか。顔が熱くって仕方がない。彼女が抱えている不透明なビニール袋の中身さえなければ完璧なのに。