第6章 男女の違い
「せやで。で、アンタはいったい何がしたいん。花織を避けて、あの子ショック受けてんで?」
「俺は……」
風丸は目を細める。……花織。そういえば最近、ずっと花織に触れないようにしてきた。先日だって自分に手を伸ばしてきた花織の手を避けた。花織は一体それをどんな風に感じ取っただろうか。俺が花織にそんなことをされたら何を思うだろうか。
でも今のまま接していれば、間違いなく俺は花織を傷つける。何が正しくて、何が間違いだろうか。
「俺は花織が好きで堪らない。好きでおかしくなりそうなくらいだ。一緒にいられるだけで十分なはずなのに、もっと花織が欲しいと思ってしまう」
「……」
「……その衝動が抑えきれなくて花織と一緒にいると花織を傷つけてしまいそうだった。だから距離を置こうとしていた」
風丸は胸の内を恥を忍んで正直に告白する。花織と同じ女であるリカにこんなことを言うのはとても申し訳ないことだと思った。だが変な誤解をされているよりはマシだと踏んだ。リカは腕を組んで黙って風丸の話を聞いている。
「せやったら、それをちゃんと花織に言わな。黙って避けられたらそんなん誰だって傷つくわ」
「……」
「花織だってアンタが好きやからホンマはもっと一緒にいたいって思うとる。でもアンタの邪魔にはなりたくないって一番考えとるで」
今のまま放っとったら”一郎太くんの迷惑になるくらいなら別れた方がいいかも”、なんて言い出すかもしれん。とリカがため息をつきながら言った。
「でも安心したわ。花織のことを嫌いになったとか、そういうわけやないんやな」
「なるわけがないさ」
毅然とした態度で風丸がリカを見据えて、口元に微笑みを湛えてはっきりと宣言する。
「俺は花織が好きだ、今もそしてこれからも」
彼の愛の告白にリカは思わず赤面する。ああもう、こんなことなら首を突っ込まん方がよかったやろうか。そんなことを思いながら頭を掻く。取り越し苦労も本当にいいところだ。
「それ、ちゃんと花織に伝えり。やないとウチが通天閣シュートお見舞いしたるからな」