第5章 魅惑の女性
「ウチから花織にプレゼントや。開けてみい」
言われるがまま花織は紙袋を開ける。中に入っていたのは色付きのリップクリームだった。花織は驚いてそれとリカを見比べる。
「ローズピンクのリップや。合宿中やから流石に化粧はアレやけど、リップぐらいならええやろ。つけると結構印象変わるで」
でも悪いよ、と花織が言葉を告げようとする。がそれよりも早くテーブルに頬杖をついたリカが花織を見つめて呟く。
「スキンシップも減っとるっていうとったからな、試してみい」
「……ありがとうリカちゃん」
ぎゅっと胸に彼女からの贈り物を抱きしめる。勢いは強いけれど、親身になって色々考えてくれる彼女はとても良い友人だ。本当に私は良い友を持ったと花織は思わず表情を綻ばせる。
「せめてじゃあ、リカちゃんのカフェラテとシフォンケーキは奢るね。今日のお礼」
「ホンマに?ありがとうなあ、花織」
ちょっとお財布ピンチになりかかっててん。とリカが嬉しそうに言った。花織はふふ、と笑いながらまた一口ミルクティーを呑む。リカといると楽しい、自分にない様々なものを彼女は与えてくれる。
「とにかく、結果報告だけはしっかり頼むで。あんまり心配はしとらんけどな」