第12章 恋知りの謌【謙信】湯治編 〜おしおき〜
すると美蘭は、
なかなか甘やかしてくれない謙信に
「でも…謙信様も…わたしに隠している気持ちがありますよね?」
可愛い顔で睨みつけながら、言った。
「織田の離れではずっと不機嫌でしたし…。帰りだって。わたしもこれからはちゃんと何でも話すようにしますから…謙信様も…全部…ちゃんとわたしに聞かせてくださいね?」
(この状況で俺を叱りつけるとは…。誠、面白い女だ。)
淡々と、そう思った謙信であったが。
次のひとことに、心臓を鷲掴みにされた。
「黙ってあんな風にされたら…嫌われちゃったのかと不安になっちゃうんですから…。椿さんの時だって…っ。」
「…っ!」
それは、
自分を思う、
美蘭の愛らし過ぎる本音。
信頼していないわけではない。
愛しくて
大切で
失いたくないからこそ不安になり
言えなかったのだ。
謙信は、
美蘭へのあまりの愛しさで、呼吸が止まるかと思うほどに胸を締め付けられた。
(…そろそろ限界なのは…俺か…。)
身体の線をなぞっていた両手を胸に滑らせ、乳房をやわやわと揉み始める。
「……っあ…っ…。」
触られただけであげた甘い声に、謙信の身体も熱くなる。
「ならば…俺も思っていたことを全部教えてやる。」
その一言に、美蘭は瞳を期待に揺らした。
「迎えに行ったとき…おまえに口付けた信長を斬りそうになるのを耐えた。」
そう言うと同時に、乳首を摘まれ、
「…っ…あああ…っ…ん…!」
甘い刺激に、美蘭は声をあげた。
「おまえに馴れ馴れしく触れる彼奴らが気に入らない。」
乳首を捏ね回しながら、続ける。
「独眼竜と徳川を呼び捨てなのが気に入らない。」
「あ…ん…っ…そんなこと…言っても…っ。」
やっと得られた快楽に身を任せながら、
一番刺激が欲しい下半身は、
いまだ謙信を股がされた格好のまま放置され、
ジンジンと熱く疼いている。